
nano.創業者の嚴(げん)さんに、これまでの歩みと現在地を伺うインタビュー。
前編では、nano.がいくつもの転機を越えて今の形になるまでの創業ストーリーをお届けしました。
後編では、そうして築かれてきたnano.が、今どんな仕事を通じて価値を生み出しているのか。
そして嚴さんが日々大切にしている、仕事への考え方に迫ります。
nano.の仕事は、「サービス」だけではない
――nano.のメイン事業は、婚礼サービスの請負だと伺いました。具体的にはどんな事業なんでしょう?
わかりやすく言えば、結婚式場から当日のサービスをまるっとお任せいただいて、その日の運営を支える仕事です。
新郎新婦やゲストをお迎えして、一日がいい形で進むように、現場全体を担っています。
――結婚式の一日を支えるお仕事なんですね。
はい。ただ、それを”決められた通りにこなす作業”にはしたくないと思っていて。
――といいますと。
nano.という社名の通り、僕たちの仕事の根っこにあるのは、「人に価値がある」という考え方なんです。
結婚式場にも、そこで働く人にも、もともとの価値がある。
そこに僕たちが関わることで、まだ形になっていない新しい価値を生み出していく。
それが僕たちの本当の仕事だと思っています。
――だから、役職の名前も「コンサルタント」なんですね。
そうなんです。
目の前のお客様にいいおもてなしをする。それは大前提です。
でもそこで終わらない。
もっと良くできることを見つけて、形にしていく。
そこで喜んでくださる方が増えれば、この仕事の価値そのものが、より上がっていく。
そうやって働く人にちゃんと返っていく循環を作りたい。
だから僕たちは、言われたことをこなすだけの仕事にはしたくないんです。

その価値は、現場に深く関わるからこそ生まれる
――その”新しい価値”は、どうすれば作れるんでしょう?
まず、現場に深く関わることですね。
だから僕たちは、「請負」という形を取っているんです。
――請負というのは。
ひとつの結婚式場の婚礼サービスを、現場ごと丸ごと預からせていただくことです。
会場のみなさんと同じ方向を向きながら、当日のサービスを一緒に作り上げていくイメージですね。
――サービスを外部に任せる形は、他にもありそうですが、請負ならではの特徴はあるんですか?
「誰が現場を動かすか」という点が大きく違うと思っています。
一般的には、必要なときに人手として現場に入る、という関わり方が多いんです。
決められた役割を担う形ですね。
それはそれで会場にとって大事な支え方です。
――請負は、そこがどう違うんでしょう?
先ほどもお伝えしたように、結婚式場の婚礼サービスを、現場ごと丸ごと預からせていただくんです。
会場が大切にされていることをしっかり踏まえた上で、現場をどう良くしていくかは自分たちでアイディアで動かせる。
だからこそ、ただ人手が増えるだけじゃなく、サービスの質そのものを一緒に高めていける。
「もっとこうすれば喜んでいただける」と提案したり、会場が抱えている課題にパートナーとして踏み込んでいけるんです。
――そこまで関われるのは請負ならではですね。
人を育てるという意味でもこの形を大事にしています。
サービスを本当に良くしたいなら、そこで働く環境と、人を育てる力が欠かせません。
現場をまるごと預かっているからこそ、一人ひとりと向き合って時間をかけて育てていける。
だから僕たちは請負という形にこだわっているんです。

接客は、「文化」である
――嚴さんは、「接客」をどう捉えていますか?
僕は、接客は「文化」だと思っているんです。
――文化、ですか。
そうです。料理や音楽と同じで、人が暮らしの中で自然と育んできたものだと思うんです。
誰もが受けたことがあるし、自分でも知らないうちに形にしている。
すごく身近で、誰にでも始めやすい。
でも、突き詰めていくと、なかなか普通では到達できないレベルがある。
相手が本当は何を求めているかを察して、先回りする。
マニュアルには載っていないその一歩の積み重ね。
その奥行きこそが、僕たちの接客・サービス力なんだと思っています。
nano.らしさは、こんな瞬間に出る
――サービスの現場で、「これはnano.らしいな」と感じるのは、どんな瞬間ですか?
妥協しないこと。諦めないことですね。
「できない」と言うのは簡単なんです。
でも、たとえ難しい話だったとしても、できる努力をする。できる提案をする。
そういう仕事を現場で見た時に、僕は「nano.らしいな」と感じます。
――他にもありますか?
困っている仲間がいたら、さっと助けているところ。
重い荷物を持っている人がいたら、「一緒に持つよ」と声をかけているところですね。
そういう細やかな配慮にも僕はnano.を感じるんです。
誰かに言われなくても出てくる、ちょっとした頑張り。
ちょっとした気遣い。
お客様と本当に楽しそうにしている姿。
そういうシーンを見た時に「あ、nano.だな」って。
すごくらしいなと思う瞬間ですね。

楽な方に逃げず、難しい方を
――メンバーが仕事で迷ったとき、判断の拠り所にしてほしいものはありますか?
「楽な方に逃げず、あえて難しい方を選んでほしい」。
それはいつも伝えていることですね。
――難しい方というのは。
たとえば、うまくいかないことがあったとき。
人のせいにしたり、環境のせいにして逃げるのは簡単なんです。
でも本当は、そこで「自分にまだ足りないものがあった」と受け止める方がずっと難しい。
その難しい方をあえて選んでほしい。
その積み重ねでしか、自分の中の判断軸は育っていかないと思うんです。
――その先に、成長がある、と。
そうですね。
楽な方に逃げるとその時は楽かもしれない。
でも、自分にとって本当に大切なものを言い訳にしてほしくないんです。
仕事が面白いかどうかは、結局自分次第なので。
難しい方を選べる人はどんな仕事も面白くしていけると思います。
なぜ、複数の事業をやるのか
――nano.は、婚礼サービスのほかにも、いろいろな事業を展開されていますよね。
そうですね。
自社でウエディングをプロデュースしたり、飲食店を運営したり。
人材紹介や、福祉の分野まで。
気づけばかなり幅広くなっています。
――なぜ一つに絞らず、これだけ多くを手がけているんですか?
仲間のやりたいことが実現できたら、最高に嬉しいじゃないですか。
事業が増えていくのは、誰かの「これをやってみたい」から始まっているんです。
自分が何かを成し遂げるよりも、仲間のやりたいことが叶う瞬間を、隣で応援しながら見られることの方が僕にとってはずっと嬉しいんです。
そして、そうやって応援してもらった人は、今度は自分が応援する側に回る。
自分の後輩のやりたいことが叶う瞬間を隣で喜べるようになる。
そんなふうに、ずっと繋がっていったらいいなと思っていて。
――やりたいことを、みんなが実現できる場にしたい、と。
そうなんです。
やりたいことのために会社を巣立っていく人を、突き放すような形にはしたくなくて。
むしろ、新しい挑戦を笑顔で応援し続けられる場所でありたいんです。
nano.に関わる仲間も、その家族も含めてみんながやりたいことをやれる。
そういう世界の中で生きていける。
それが何より大切だと思っているんです。
人生は一回きりですから、楽しまないといけないなって思うんです。

嚴さんにとって仕事とは
――嚴さんにとって、仕事とは何ですか?
ロマンですね。
これがなかったら感動も生まれないし、充実も生まれない。
ただ給料をもらってそれで良しとするなら、それ以上がなくなってしまう。
でもそれは仕事じゃないと思うんです。
こうなりたい、ああなりたい。
こういう価値を作りたい、喜んでもらいたい。
そういうものが全部、仕事には現れる。
それが人生につながっていく。
だから僕にとって仕事はロマンがあってこそなんです。
そして、このロマンは終わることがない。
次の人たちに受け継がれていくものだと思っています。
nano.に興味を持ってくれたあなたへ
――嚴さんは、どんな人と一緒に働きたいですか?
一言で言うなら、素敵な人ですね。
じゃあ素敵な人って何かというと、仕事をする目的がお金じゃない人。
ちゃんと夢を語れる、夢の話ができる人です。
――お金はもちろん大事だけど、その先も見ている人、ということですね。
そうです。
この記事は、未経験でこの業界に初めて飛び込む人に向けたものだと思うので、なおさら伝えたいことがあって。
未経験だと、「自分にできるだろうか」と不安になりますよね。
でも、能力があるかどうかは正直あまり関係ないんです。
自分を変えたい、自分の人生をもっとに楽しくしたい。
そういう思いを持って、人と人として向き合ってくれる。
そんな人と出会いたいです。
――最後に、これから入社を考えている人へ、伝えたいことをお願いします。
nano.を選んで間違いない。正解です!
そうはっきり伝えたいです。
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